23区における地価変化と地域特性の関係(2/3)

23区内住宅地の地価変化(1997~2007年)
 戸建て住宅エリアもマンション向けエリアも等しく“西高東低”

2007年以前(リーマンショクより前)はどのような地価変化の状況であったのか?
これまで2007~2017年の間の地価変化率をとりあげてきましたが、ではそれ以前の1997~2007年の間の変化はどのようであったのか、少し見てみたいと思います。以下の図⑦が、戸建て住宅エリア+マンション向けエリア、でのその状況を示したものです。

⑦ 戸建て住宅エリア+マンション向けエリア(1997~2007年の地価変化率)

 

1997~2007年の地価変化率: “西高東低”

特定エリアの“1人勝ち”
この期間は、1990年代前半でのバブル崩壊後、経済の低迷が続いていた時期から、リーマンショック前における不動産市況が活況であった時期までの間となります。この期間での23区内における住宅地の地価変化の状況は、図からも見てとれるように「西高東低」といった状況となっており、港区、渋谷区、目黒区、世田谷区といった西側南寄りのエリアにおいて特に上昇率が高くなっているものの、それとは対照的に、他のエリアは下落率が大きく、特定エリアの“1人勝ち”のような状況でした。なお、各地点での増減の振れ幅が、2007~2017年に比べると大きかったため、凡例の増減は+20%~-20%の間でレンジを設定しています。(2007~2017年においては+10%~-10%の間でレンジを設定)

地価の変動状況が異なっていた
また、この期間の地価の変動状況として、図からもわかるように、住宅地エリアとマンション向けエリアにおける差はあまりなく、一律的に23区の西南部のみ上昇、他は下落、といった変化の状況となっていました。ということで、先程見た直近10年(2007~2017年)の状況は、以前(1997~2007年)でのトレンドとは違った様相になっていると言えます。
あと、これまで1997年、2007年、2017年という時点で区切って地価の変化をみていますが、何故この時点を取り上げているのかも説明しておきます。以下の図⑧は東京23区(他都市も入っていますが)における住宅地の平均価格の推移を示しているものです。

⑧ 東京23区(他主な都市も含む)における住宅地の平均価格の推移

同じ地価水準となる、1997、2007、2017年
この図でわかるように、バブル崩壊以降も、極端に大きいものはありませんが、地価が上下に変動するうねりは起こっています。ところが、1997年、2007年、2017年での東京23区における住宅地の「平均」価格をみてみると、ちょうど同程度の地価となっており、また10年毎という区切りの良さもあったことから、この3つの時期を取り上げ地価変化の様子をみることとした訳です。

 

(「23区における地価変化と地域特性の関係(3/3)」に続く)

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